「トナカイの木」のおもい

トナカイの木

「トナカイの木」のサービスを開始しました。

私(代表)は、大手広告代理店で働いていました。マーケティングの部署で5年と9ヶ月、しんどい時期もありましたが同僚にはたいへん恵まれ、「嫌になって飛び出した」というよりは「周囲のおかげで自分に自信がついた/自分のやるべきことが明確になった」という感覚です。

5年以上働く中で、私のマーケター/クリエイター/サラリーマンとしての限界を知ったというのもあるのですが、どちらかというと「ここで一緒に働いている人たちの役に立ちたい」「そのためには、社内ルールや規則、<大人の事情>に縛られない社外の第三者の立場にならなければ、本当に助けを必要としている人の役に立てない」と思い至り、フリーランスに転身しました。(当時そこまではっきりと次のキャリアが見えていたわけではないので、後付けも半分はありますが。)

でも私が会社を飛び出すことができたのは、趣味が充実していて会社を辞めても「自分には居場所がある」という自信があったからです。

会社・仕事・キャリアに限らず「自分にはコレ以外にない」「これを失ったらやっていけない」と自分を追い詰めている人はとても多いと感じます。そしてそんな人は、私の年齢のせいか社会的な情勢のせいかますます増えている印象です。

一本だけに頼り切りになると、それは相手を追い詰めることにもなります(「私にはあなたしかいない」という態度は、相手に「自分が変わってしまったらあの人が取り残されてしまう」という呪縛を与えます)。

単一の選択肢に依存するのではなく、複数の選択肢を常に持つことで相手に頼りすぎず、お互いに軽く支え合うことができる。多くの場所に根ざしていれば、何かを失っても倒れないしなやかな木になれる。

柔軟といえばそうですが、ともすれば責任感が薄く移り身が速いという見方もできるのでこんな生き方が向いていな人もいるかもしれません。でも、選択肢を増やすことができれば救われる人もいるのではという思いで「トナカイの木」をスタートしました。

大きな繁殖や繁栄を目論むのではなく、明るい夏も厳しい冬も季節とともに生きるトナカイのようにのびやかに生きていくことを目指します。